教育、学び、そして学校 〜 注59

公開: 2024年3月27日

更新: 2024年3月27日

注59. 社会階層と学ぶ意欲

イギリスなど、社会階層が明確に分かれているヨーロッパの国々では、貴族階級の家庭の子供と、一般市民階級の家庭の子供では、子供たちの学びに対する意欲に差があります。もともと義務教育制度の無かった一般市民の人々は、義務教育を学んだあと、職業に従事するための中等教育を受け、社会に出て、肉体労働に従事する慣習がありました。貴族の人々は、以前から高度な教育を受け、高等教育を受けて、軍隊では士官となるべく学び、一般の社会でも社会のリーダーとして生きるために学びます。人生の早い段階から、子供たちにも学ぶ意欲に差があるのです。もちろん、親の側の、学ばせる意欲が違います。

ヨーロッパの社会では、学歴と社会的な地位が直結しているので、貴族階級の人々のように高い階級に属する人々は、子供にも高い教育を受けさせる傾向が強く、その階層の家庭の子供の学歴が高くなる傾向にあります。つまり階層によって、子供の学歴に差が出やすいのです。このことは、親の子供たちの教育に対する意欲にも差を生み出します。そして、そのことも原因となって、子供たちの学ぶ意欲に、大きな差が生じます。つまり、社会階層が低くなればなるほど、学ぶ意欲が低くなり、不登校も増加するのです。

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